滅菌とはこの世に生息しているすべての生物(ウイルスを含む)を死滅させることです。
消毒とは人体に有害な生物を死滅させることです。具体的には化膿連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、その他真菌などが含まれます。
逆に消毒できないものとしてはウイルス、芽胞菌があります。芽胞菌は硬い殻(芽胞)に覆われていて、熱湯やアルコールなどでは死滅しません。これら芽胞菌に属するものは、炭疽菌(オウム真理教が依然細菌テロを企てた菌です)破傷風菌、そして身近な納豆菌などがあります。
昔の日本人はこの滅菌と消毒の違いを知っていたのでしょうか。納豆作りはこの(芽胞菌は熱湯消毒できない)というのを上手く活用しています。
納豆菌はもともと稲わらに自然に存在しています。稲わらにゆでた大豆を入れると自然に納豆になるわけですが、稲わらには腐敗菌など他の雑菌もついています。そこで稲わらを熱湯につけてぐらぐらゆでます。すると芽胞菌である納豆菌だけが生き残り、他の雑菌は消毒されて死滅します。そして残った納豆菌は適度な温度が加わって発芽します。そうして納豆ができあがります。
昔の人は経験で滅菌と消毒を使い分けているのですね。
